2017年12月、心斎橋近くに完成したタワーマンション、「ブランズタワーウェリス心斎橋SOUTH」。
2016年2月に完成した「ブランズタワーウェリス心斎橋NORTH」に隣接し、2棟のツインタワーとなります。
心斎橋エリアは、大阪ミナミといわれ、ショッピング施設などの商業施設が多く建ち並び、昼夜問わず外国人観光客などの買い物客でいっぱいです。
そんなミナミの繁華街から徒歩圏内という住む場所とは思えないところですが、すでに完売。
どのような人が購入しているかというと、大阪府内の方が約半数、それ以外の国内外の方が約半数という割合。
海外からは、アジアを中心に台湾、マレーシアなどの方だそうです。
海外からの購入者は、自分で住む方もいますが、投資用として購入し賃貸で貸すという方もおられます。
というのも、 「心斎橋」という地名は東京の銀座などと並び、アジア全域で通用するブランドネームだといいます。
大阪市外で建築されるマンションの多くは、周辺に住む人々が購入することがほとんどですが、「心斎橋ブランド」の物件ではその範囲が近畿一円、そしてアジア全域の関心を集める傾向にあるそうです。
三菱総合研究所が関西空港で外国人旅行者に対して行ったアンケート調査「関西インバウンドマーケティング基礎調査」によると、関西で最も外国人に人気のあったのは大阪市内の難波・心斎橋エリアで、1年間で訪日外国人の3割にあたる702万人が訪問したとのこと。
(調査時期は2017年2月と7月。調査内容は、関西観光地の認知・訪問状況・再訪意向、移動経路と利用交通機関、宿泊先など。関西国際空港から出国する外国人旅行者約4000サンプルの結果を集計)
最高路線価の上昇率においても、大阪・心斎橋は大阪キタよりも高くなっているというデータもあります。
日本人にとっては、ミナミよりキタのほうが都会的で多くの人を集客しますが、外国人に人気なのはキタよりミナミであるということがうかがえます。
実際、マンション販売では外国人による地名の認知度が人気にはねかえっているといわれています。
ブランズタワー・ウェリス心斎橋の「心斎橋」が「長堀橋」となっていたら、外国人の人気はほかのタワーマンションに比べてそんなに差がつかなかったとみられます。
物件名に“シンサイバシ”が入っているだけで、外国人からの反応の引きが違うとのことで、外国人に限っていうと「地名バブル」ともいえる状態になっているようです。
今後はこうした地名バブルに便乗し、住所地が違っても物件名に「心斎橋」「道頓堀」を入れてイメージアップを図るケースが増えてくるかもしれません。
大阪市内ではタワーマンションの建設ラッシュが続いていて、ここ5年だけで少なくとも29棟が完成し、現在さらに11棟が建設中です。
年々価格が上昇し、「都心に住みたいというニーズ」が以前よりも増えており、タワーマンションはそれぞれに特徴があり、需要が継続的にあるので、すぐに値崩れするということもなさそうです。
今後も大阪市内のタワーマンションは注目されるでしょう。